4月1日、株式市場は久しぶりの明るい空気に包まれた。
トランプ政権が関税強硬路線を軟化させつつあるという期待感が広がり、日経平均は日中1,000円を超える上昇を見せた。「今度こそ落ち着くかもしれない」——そう感じた市場参加者は少なくなかった。
4月1日夜、すべてをひっくり返した一言
しかし同じ日の夜、その空気は一変した。
トランプ大統領が「イランを2〜3週間以内に極めて強く攻撃する」と発言。Bloombergはこれを「関税に対応した投資家を翻弄 ── イラン戦争で戦略一変」と即座に報じた。
関税という材料に慣れ始めていた市場に、全く性質の異なる地政学リスクが持ち込まれた。関税は交渉の道具として「緩める」余地があるが、軍事的な緊張はそうはいかない。市場の反応は翌日、数字となって現れた。
4月2日の市場データ
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均(終値) | 52,463円 | −1,276円 / −2.37% |
| 夜間先物 | 52,551円 | — |
| S&P500先物 | 6,540 | −1.17% |
| ダウ先物 | 46,343 | −0.99% |
| ナスダック先物 | 23,831 | −1.50% |
日経平均は終値1,276円安の52,463円。米株先物も3指数が揃って1%前後の下落となり、夜間にかけてもリスクオフの流れが続いた。
リベレーション・デーから1年
2025年4月2日——トランプ大統領は「解放の日(Liberation Day)」と呼び、世界各国に相互関税を発動した。このとき彼は「4月1日にやると誰も信じないから2日にした」と語っており、エイプリルフールを意識した発言として話題になった。
あれから1年。2026年の4月2日は、笑い話ではなくイランという本物の火種が市場を直撃した。関税1周年の節目に、市場は再びトランプ・リスクの洗礼を受けることになった。
繰り返されるパターンと今後の注目点
市場関係者の間では、今回の動きに既視感を覚える声も多い。2025年の「90日猶予」がそうであったように、トランプ政権は強硬姿勢を見せた後に方針転換するパターンを繰り返してきた。今回のイラン発言も交渉カードとして使われる可能性はゼロではない。
ただし、軍事的な緊張は関税とは性質が異なる。マーケットへの影響は一方向に断定しにくく、週明けの動向を慎重に見極める必要がある。
- イラン情勢の続報(軍事行動が具体化するかどうか)
- 週明け月曜の米株・日経の動向
- トランプ政権から関税・外交いずれの方向で次の発言が出るか
相互関税発動から1年、市場はまだトランプ・リスクとの格闘を続けている。
※本記事は市場概況の記録・解説を目的としたものです。特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。