ゴールド(XAUUSD)の短期トレードにおいて、テクニカル指標以上に「相場の本音」を映し出す指標があります。それが東京市場の「仲値(なかね)」に関連する需給の偏り、いわゆる「仲値バイアス」です。
なぜ特定の時間に価格が大きく動き、その後「平均回帰」や「トレンド継続」が発生するのか。本記事では、当サイトの環境認識の根幹である仲値バイアスの仕組みと、乖離率を用いた環境認識の基礎を解説します。
1. 仲値(なかね)とは?ゴールドが動く理由
仲値とは、金融機関が顧客との取引に使うその日の基準レートのことです。日本時間の午前9時55分に決定されます。特に「ゴトー日(5日、10日など)」や輸出入の決済が重なる日には、実需による大規模なドル需要が発生します。
なぜゴールドに関係があるのか?
仲値に向けて「ドル買い」が強まれば、相対的にゴールド(XAUUSD)には下落圧力がかかります。逆に、仲値を通過した瞬間にその需給が解消されると、反動で急騰することもあります。この「特定の時間帯に発生する強制的な需給」がバイアスの正体です。
2. 「乖離率(Div)」で相場の歪みを数値化する
当サイトでは、日本時間午前9:00の価格を基準とし、10:00時点での価格がどれだけ離れたかを「乖離率(Divergence / Div)」として数値化しています。
【バイアス判定の計算概念】
乖離率 = (10:00の価格 - 9:00の価格) ÷ 9:00の価格
乖離率が示すメッセージ
- 乖離率がプラスに大きい(例:+0.5%以上)
仲値に向けて強引に買われた、あるいは金利等のファンダメンタルズを無視して上昇している「過熱状態」を示唆します。 - 乖離率がマイナスに大きい(例:-0.5%以下)
仲値のドル需要等により、過度に売られた「売られすぎ状態」を示唆します。
3. バイアスをどうトレードに活かすか
この数値単体でも有益ですが、当サイトではこれに米実質金利のデータを組み合わせることで、より高精度な環境認識を行います。
パターンA:トレンドの追随(順張り)
実質金利が低下しており(ゴールドに追い風)、かつ仲値での乖離率がプラスで推移している場合、その上昇は「本物のトレンド」である可能性が高く、押し目買いの根拠となります。
パターンB:歪みの修正(逆張り)
実質金利が高い(ゴールドに下落圧力)にもかかわらず、仲値にかけて乖離率が大きくプラスになった場合。これは「相場の歪み」であり、欧州市場参入にかけて「平均回帰(修正の下落)」が起こりやすい絶好のチャンスとなります。
4. 統計が証明する「優位性」
仲値バイアスは単なるオカルトではなく、長年の市場慣習に基づいた「統計的な優位性」です。当サイトでは、毎日この数値を記録し、どのような状況で「歪みの解消」が起きたかを蓄積しています。
日々のトレードで「なぜか逆行される」と感じている方は、このバイアスの存在を知るだけで、無駄なエントリーを劇的に減らすことができるはずです。
まとめ
- 仲値バイアスは、東京市場特有の需給(9:55)が生み出す価格の偏りである。
- 乖離率を見ることで、その偏りが「行き過ぎ」なのか「トレンド」なのかを判別できる。
- 実質金利と組み合わせることで、欧州時間以降の反転ポイントを予測する強力な武器になる。
まずは、当サイトのレポートで、乖離率の推移を追うことから始めてみてください。チャートの裏側にある「需給のドラマ」が見えてくるはずです。